2024年6月号 KANAKEI(かながわ経済新聞)

仕分けシステム、大手コンビニ採用


 JET(相模原市中央区田名、☎042・761・3360)は、ロボット事業を拡大する。
 物流業界向けに開発した仕分けロボットシステムが大手コンビニエンスストアの物流センターに採用されたことから、他の流通大手向けにも拡販。主力の切削工業をベースにケンキュウ・開発の人材が育っており、必要なユニットを自社加工しながら汎用製品も組み合わせてシステム全体を設計する「ロボットシステムインテグレーション」を本格展開していく。

 仕分けロボットシステムは、多関節アームロボットがコンベアに流れてくる商品をつかみ、配送先の店舗ごとのストッカーに必要な商品を必要な数量だけ収めていく。
 アームロボット6台で1ラインを構成。ものをつかむハンド部には商品の大きさや、柔らかさ、重量バランスによって掴むハンド、吸着するハンドを用意。ロボットが最適なものを自動で判断して着脱する。カメラで感知して1000種類近い商品を識別、ストッカーに空きスペースがないように商品を並べていく。

■他社からも引き合い

 同社は1983年に設立、鋳物材料の切削加工などを手掛けてきた。98年に二代目の遠藤法男社長が入社してからは、ハードディスク駆動装置の部品など付加価値の高い部品加工に転換。人材を集めて開発機能を高め、ロボット事業に参入した。相模原地域の企業との共同出資でロボット事業のグループ会社「トランセンド」を設立している。
 今回のロットは国の補助金事業として取り組み、展示会などに参加して大手からの受注に成功した。「メカ、電気、制御の優秀な人材がそろい、優れたシステムを開発できました。すでにほかの流通大手からも引き合いがあります」(遠藤社長)と話している。

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